パスボールは少年野球からプロ野球までどのレベルでも目にするプレーであり、特にアマチュア野球では頻繁に起こるプレーです。
状況によって試合の流れを大きく変えてしまうミスでもあるため、キャッチャーは一球一球神経を尖らせてプレーに臨んでいます。
そんな、パスボールの定義、プロ野球でのパスボールの記録について解説します。
パスボールとは
パスボール、漢字で「捕逸」(ほいつ)は塁上にランナーがいる状況下でピッチャーの投じた捕球できるはずのボールをキャッチャーが捕球できず、ランナーが次の塁へと進塁することを意味します。
また、パスボールはキャッチャーのエラーになるものの、キャッチャーの場合捕球機会(捕球するボールの数)が他の野手比べて多いことから、エラーとして記録されません。
野球規則における定義
公認野球規則10・15の「暴投と捕逸の記録」
(b) 普通の守備でなら保持することができたと思われる投手の正規の投球を、捕手が保持または処理しないで、走者を進塁させたときには、捕手に捕逸が記録される。
パスボールとワイルドピッチの違い
パスボールに類似したプレーにワイルドピッチとういものも存在します。ワイルドピッチ(暴投)はキャッチャーが捕球しようとしても捕れないボールを指します。
・パスボール:捕球できるはずのボールを捕球できず、ランナーを進塁させること
・ワイルドピッチ:キャッチャーが捕球できないボールをピッチャーが投じて、ランナーを進塁させる
パスボールを防ぐ方法
パスボールを防ぐ方法として「ブロッキング」といった方法があります。パスボールをしがちなワンバウンドをするボールに対して、正面に身体を入れて、両ひざを地面につき、グローブを下無kにか捕球するのではなく、身体に当てて前に落とす方法です。
パスボールの記録
パスボールのシーズン記録及び通算記録についてまとめます。
パスボールシーズン記録
リーグ | パスボール数 | 選手名 | 年度 |
---|---|---|---|
パリーグ | 17 | 野村克也 | 1960年 |
セリーグ | 17 | 若菜嘉晴 | 1979年 |
パスボール通算記録
リーグ | パスボール数 | 選手名 |
---|---|---|
パリーグ記録(NPB記録) | 132 | 野村克也 |
セリーグ記録 | 118 | 谷繫元信 |
パスボール数の推移(2012年~2021年)
セ・パ両リーグにおける2012年から2021年までのパスボール記録をまとめます。
両リーグとも年間のパスボール数は30~55個程です。
セリーグ編
最多パスボール数は2015年に記録した55個です。
2021年は直近10年間の中で最も少ない34個を記録しています。
パリーグ編
最多パスボール数は2014年に記録した50個です。
また、オリックスは2016年シーズンにパスボール数0個を記録し、この記録はプロ野球史上初となります。
パスボール数は名捕手の証?
パスボール数はキャッチャーのエラーであるものの、キャッチャーとしての出場回数が多ければ多いほど投球を捕球する機会も増えるため、必然的にパスボールをする回数も増えてきます。現に、名捕手として活躍された野村克也氏、谷繫元信氏などがリーグのパスボール記録を保有しています。
エラー数をネガティブとポジティブの側面で捉えられるのも野球の素敵な一面なのかも知れません。