牽制球、通称「牽制」。野球観戦をしていれば一試合に数回から数十回は起こる牽制球について、その意味や使うタイミングと目的、牽制球の種類など動画を活用して解説します。

牽制球とは

牽制球とは、塁上にいるランナーを次の塁へと進塁させないように、投球前のピッチャー、捕球後のキャッチャーがランナーのいる塁へとボールを送球する行為を指します。

牽制球を入れるタイミングと目的

牽制球は前述の通り塁上にランナーがいる時に入れられます。ここでは主に牽制球が使われる4つのタイミングと目的についてそれぞれ解説します。

  1. ランナーの足が速い時
  2. リードが大きい時
  3. 戦術を仕掛けてきそうな時
  4. 間合いが欲しい時

ランナーの足が速い時

牽制球には盗塁を防ぐ効果があります。盗塁をする際、ランナーのリードが大きくなりがちなので、牽制球を入れることでランナーのリードを小さくし次の塁との距離を長くすることができ、盗塁成功の確率を下げることができます。

ランナーのリードが大きい時

牽制球はリードの大きい、盗塁を狙うランナー、守備側のミスを狙うランナーをアウトにすることができます。

戦術を仕掛けてきそうな時

牽制球は相手チームがヒットエンドランやバントなど盗塁以外で何か戦術を仕掛けてきそうなタイミングに牽制球を入れることで、相手の様子を探ることができます。

間合いが欲しい時

ピッチャーは上記3つの状況になると投げにくくなる時があります。そういった時に牽制球を入れることで自身の投球がしやすくなります。

牽制球の種類

牽制球には右ピッチャーと左ピッチャー、そして投げる塁によって投げ方が異なります。ここでは三塁への牽制球を除くピッチャーが行う5つの牽制球と、キャッチャーからの牽制球を動画を使って紹介します。

一塁への牽制球(右ピッチャー)

牽制球の中で最も多く目にするのが、右ピッチャーが一塁へと投げる牽制球です。ピッチャーは右足をプレートから外して牽制球を入れます。

一塁への牽制球(左ピッチャー:足を上げるゆっくりな牽制球)

左ピッチャーは一塁に正対している為、足をゆっくり上げて牽制球を入れることができます。

一塁への牽制球(左ピッチャー:足を上げる早い牽制球)

上記とは逆に、足を上げる時間を短くする事で早い牽制球を入れます。

一塁への牽制球(左ピッチャー:足を上げない牽制球)

右ピッチャー同様に、左足をプレートから外して牽制球を入れます。

二塁への牽制球

二塁への牽制球は右ピッチャーも左ピッチャーも同じようにプレートから足を外して二塁に牽制球を入れます。

二塁への牽制球(逆回りの牽制球)

逆回りの牽制球は、投球動作に入るとみせかけて、足を上げてから右ピッチャーは右回り、左ピッチャーは左回りで二塁方向へと回転し牽制球を入れます。

キャッチャーからの牽制球

牽制球はピッチャーからだけでなく、ピッチャーからの投球を捕球したキャッチャーからも入れられます。

牽制球の印象的なシーン

球史に残る牽制球をご紹介します。

メジャーリーグ初の牽制球で試合終了は日本人?

牽制球での試合終了は過去にありますが、ワールドシリーズでの牽制球で試合終了は史上初。

その試合(2013年ワールドシリーズ第4戦)、牽制球を投じたのは日本人投手として活躍していた上原浩二投手(元ボストン・レッドソックス)です。

牽制球を英語で?

牽制球を英語で“pick off”(ピック オフ)と言います。

また、pick offは「牽制球」の意味だけでなく、「狙い撃つや」「もぎ取る」「摘み取る」といった意味があります。

野球で覚えた単語、もし他でも使う機会があれば是非活用してみてください。