世田谷区・高津区で活動する少年野球チーム「パイラスアカデミー世田谷」は、少年野球(学童野球)世代の子どもたちやその親に対して、野球を通じて考える力や決断する力の大切さを教えています。本記事では、少年野球の守備練習メニューを考える上で重要なポイントを4つとおすすめ練習メニュー5選を紹介していきます。
少年野球の守備練習メニューを考える上で大切なことは?
少年野球の守備練習メニューを考える上でパイラスアカデミーが意識している4つの重要な要素があります。
- 守備練習の課題・目的を明確にすること
- 守備を分解しそれぞれを理解すること
- 伝えることはシンプルに
- 守備練習はバリュエーションに富むこと
これら4つの要素についてそれぞれ説明していきます。
守備練習の課題・目的を明確にすること
何よりも大切なのは、子どもたちがどうしてこの守備練習に取り組んでいるのか、この練習に取り組むことで自分自身どう成長・変化をしていくのかを理解してもらうことです。
少年野球をはじめアマチュア野球の練習を見ていると、ただ言われた練習をこなす、ただ練習量を多くする、など練習が作業になっている様子が見受けられます。
どんな練習も少年野球の時からそれぞれの練習が持つ意味を考え理解しながら取り組むことができれば、将来子どもが壁にぶつかった時に自分自身で乗り越えるようになる財産となるはずです。
守備を分解して理解すること
守備練習をはじめ、野球の動作は細かく分解する事ができます。野球を小学生の時に始めるメリット・デメリットにもお話しましたが、野球には縦と横そして斜めの動きがあります。
≫習い事に野球を選択するメリット・デメリットとは?
その為ボールを捕球して送球するプレー一つとっても子どもに捕ってはとても難しい動作です。だからこそ、守備という一連のプレーを分解し、それぞれどんな動きが必要とされているのかを理解します。
例)あくまでも参考です。これより細かくても大雑把でもいいと思います。
- 構え方
- 捕球一歩目
- 捕球しに行くまで
- 捕球直前
- 捕球時
- 捕球後
- 送球
シンプルにまとめても守備は少なくとも8つに分解することができます。つまり最低でも8つの動きを理解し、練習し、体現できないとならないわけです。
伝えたいことは一つに絞ること
少年野球をするお子さんには伝えたいポイントを一つに絞ることが重要です。これにより、効果的に選手のスキルが向上すると考えます。
前述の通り守備練習一つ上げても、7つの動きに分解されることが分かります。一方で、少年野球で良く見られる光景は、コーチがバットで打ったボールを子どもたちが捕球をし送球するといったノックと呼ばれる練習です。つまり子どもたちは7つの複雑化した動きを一連の動作をたった数秒で体現しないといけないのです。
また、複数のポイントを伝えられた少年球児は一つを修正しようとするとその一つだけに集中し結果その他を修正する事ができないなどといった事がよくあります。
だからこそ、子どもたちが取り組む練習では、複数のポイントを伝えるのではなく、シンプルに”一つ”だけ伝えることをおすすめします。
※子どもの運動神経や理解力によって複数のポイントを伝えても体現できますので、個性に併せることをおすすめます。
守備練習はバリュエーションに富むこと
最後に守備練習は面白く楽しい練習であればあるほどいいです。実はこれが最も大切だと、パイラスアカデミーでは考えています。
少年野球をする子どもの多くが「投球」や「打撃」に興味を持ちます。だからこそ、興味を持たれずらい守備の練習は楽しく取り組んでもらえるような仕掛けが必要です。
少年野球の守備練習メニュー5選【厳選】
①捕球一歩目
目的:一歩目の判断をよくする
ワンポイントアドバイス:ジャンプをして振返る際、両足が地面に接地する時間をなるべく短くすること。
②捕球する直前
目的:捕球する直前の足の使い方
ワンポイントアドバイス:地面にグローグが着くように意識をし、膝がつま先より前にでない様にすること。
③捕球するまで(2:12)
目的:一歩目から捕球するまでの動き方と足の使い方
ワンポイントアドバイス:捕球したいボールに対して真っすぐ捕球しにくのではないく、少し円を描いて捕球しに行くこと。
④捕球時:ハンドリングドリル
目的:正しいグローグの出し方
ワンポイントアドバイス:捕球時には必ず、目とボールとグローグが一直線上にあること。
⑤全てを一括して練習
目的:一歩目から送球までの全ての要素を学ぶ
ワンポイントアドバイス:上記①~⑤を意識すること。
※全て意識をすることが難しければ、どれか一つだけを意識しましょう。
少年野球の守備練習メニューに正解はない!
守備練習をはじめ、打撃練習、投球練習や走塁練習にこの練習が正解・不正解はありません。
だからこそ、本記事で紹介した4つのポイントをおさえて、いろんな練習を子どもたちと一緒になって考えてみてください。少年球児が心の底から野球を楽しめる且つ一生懸命取り組める環境があることが、少年野球の練習では欠かせません。
以下の記事は、守備練習ではなく、低学年の子どもを持つ親が子どもと一緒にする練習法を5つ厳選して紹介しています。親子のコミュニケーションやスキンシップにおすすめです。