世田谷区・高津区で活動するパイラスアカデミー世田谷は、小学生を対象とした少年野球チームです。日本で一番”野球”が楽しめる少年野球チームを目指し活動しています。本記事では、「子どもがいつから少年野球を始めるべきか、時期によるメリット・デメリット」を紹介します。

少年野球はいつから始めるのがベスト?

子育てをしていく中で、習い事に通わせることは子どもにとって貴重な経験になります。中でも、体を動かせて、なおかつチームプレーを学ぶことができる少年野球を習わせたい親は多いと思います。では、野球を始めるタイミングはいつからがベストなのかを野球教室運営者の知見からお伝えしていきます。

子どもが始めたいと思ったときから

少年野球はいつから始めるべきか。結論は、子ども自身が始めたいと言ったタイミングが1番です。挑戦したいという子どもの素直な気持ちを叶えてあげられる環境を親が用意することは大切です。

とはいえ、一般的には野球を楽しんでもらうために、多くの少年野球チームは次の学年を1つの目安として考えているでしょう。

小学4年生から

親御さんの視点で考えると、野球を始めるのは子どもが望んだ時が1番です。しかし、あえて具体的な年齢をあげると、多くの少年野球チームは小学4年生の時がよりいいタイミングだと考えています。身体能力的にも精神的も成長し、野球のルールを理解してプレーを楽しめるようになるのが9歳から10歳ぐらいの子どもだと考えられているからです。

少年野球を低学年で始めるときのメリット

それでは、子どもが小学校低学年で野球を始める場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。こちらの記事を読んで、少年野球を始めさせる時期はいつからが良いのか考える判断材料にしていただければと思います。まずは、小学校低学年から始めるのメリットをご紹介します。

メリット1. 運動神経向上に適した年齢だから

1つ目は、運動神経が大きく発達すると言われるゴールデンエイジを最大限に生かせることです。ゴールデンエイジは5歳から12歳の期間を指し、そこで体を動かし、神経に刺激を与えることで、運動能力の大きな向上につながります。最近では、この期間の過ごし方が、子どもの将来を左右すると言われるほど、注目されています。

メリット2. 物事を覚える吸収力が高いから

2つ目が、子どもの高い吸収力です。子どもはスポンジのように物事を吸収すると言われます。低学年の時から複雑な野球の動きを反復することで、中学生や高校生になった時により幅のある動きが可能になります。

メリット3. 体が比較的柔軟な時期だから

3つ目が、低学年は体が比較的柔軟だからです。もともと子どもの体にはおかしな癖がなく、とても柔らかいです。低学年の時から練習することで、正しい打ち方や走り方を習得し、癖づけることができます。

少年野球を低学年で始めるときのデメリット

先ほどのメリットの通り、低学年から野球をすることによるメリットは大きいです。一方で、子どもがプレーする環境によってはデメリットとなりうることがあります。

デメリット1. 毎週の練習による忙しさで勉学が疎かになる

1つめが、忙しさです。全国大会に出場するチームや大会で優勝を目指すようなチームであれば、練習量と練習時間が必然的に多くなります。そうなった場合、野球以外のことに興味が出てきたり、他の習い事をしたくなっても、時間がなく、挑戦しにくくなってしまいます。

デメリット2. 特に指導の影響を受けやすくなる

2つ目が、厳しい指導や間違った指導に、低学年の子どもはより影響を受けやすいことです。勝利すること目指すうえで、厳しく指導や練習を課されたときに子どもが野球自体を嫌いになってしまうことがあります。また、投げ方や打ち方に関する間違った指導に対しても、子どもは素直に受け取り、疑うことはほとんどありません。野球をする環境に、親が注意することが必要になる場合もあります。

デメリット3. デッドボールへの恐怖心がトラウマになる可能性がある

3つ目が、デッドボールなどへの恐怖心です。野球のボールは硬く、体に当たれば痛いです。幼い頃に受けたデッドボールが子どものトラウマになり、野球を辞めてしまったというケースは稀に見られます。忘れてはいけないのが、重要なのは野球を純粋に楽しむ心です。親は子どもに合った最適の環境を考えてあげてください。

少年野球を高学年で始めるときのメリット

小学年高学年になり、グラウンドや公園で球技を遊ぶようになり、野球の面白さに気づく子どもも多いと思います。高学年で野球を始める場合、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット1. ルールを正確に理解し野球を心から楽しめる

1つ目が、ルールをより理解して野球ができる年齢だということです。子どもがルールを理化して、野球の面白さを実感することで、プレーに幅が出て、応用が利くようになります。野球をすることが楽しいと感じる気持ちは、技術の向上に欠かせません。

メリット2. 自身の成長を実感しやすい

2つ目は、子どもが自身の成長をより感じ取りやすいことです。例えばピッチングの練習で、以前はインコースに投げられなかったのが、1週間後には投げられるようになったという体験は、高学年の子供の方が敏感で、喜びを感じます。高学年の子どもはコーチから技術的な指導を受けるようになるので、成功体験を得やすいと考えます。

メリット3. 肩や肘が健康な状態でプレーできる

3つ目は、肩や肘を健康な状態でプレーできるということです。幼い頃からボールを投げている子どもに比べ、高学年の子どもの肩や肘は酷使されていません。健康な状態でプレーできることは、野球を楽しむうえで、とても重要です。

少年野球を高学年で始めるときのデメリット

少年野球を高学年から始めることでのデメリットは技術レベルの違いや、精神面などさまざまありですが、高学年から少年野球をスタートする場合に多く見受けられるケースを2点ご紹介します。

デメリット1. 低学年から始めた子どもとの実力差を感じる

1つ目は、低学年から野球を始めた子どもと実力差が出やすいことです。運動神経が特別良くない限り、どうしても未経験者は技術的な後れを取ります。強豪と言われるチームだと、試合に出られず、面白くないと感じてしまうことにつながってしまうかもしれません。

デメリット2. 怪我の可能性が高まる

2つ目は、けがをする可能性が高まることです、高学年になると身長は伸び、筋肉量も増加します。低学年の時よりも、パワーがついた体で、間違った体の使い方のプレーしてしまうと、大きなけがにつながります。高学年の子どもは、より慎重な体へのケアが必要です。

少年野球の怪我は今後の野球人生を大きく左右するかもしれません。以下のURLはアスレティックトレーナーの視点から見た少年野球の怪我防止に関する記事です。

≫少年野球における怪我防止は子どもの将来のため|アスレティックトレーナー視点

番外編:プロ野球選手はいつから野球を始めたの?

メジャーリーグで活躍するような選手がいつから野球を始めたのかが気になる親も多いと思います。やはり、これを見ると小学校低学年からプレーしていた選手は多いようです。

  • 大谷翔平選手:小学2年生
  • 筒香嘉智選手:小学2年生
  • ダルビッシュ有選手:小学3年生
  • イチロー選手:小学2年生

一方で、野球を遅くから始めても、活躍した選手もいます。

海外にはロレンゾ・ケインという選手がいます。彼は日本でいう高校1年生の時から野球を始め、メジャーリーグで活躍し、オールスターにも選出される選手に成長しました。小さい頃から野球をしていなければ、プロ選手にはなれないと一概に言えないことが分かります。

https://www.mlb.com/news/lorenzo-cain-a-baseball-latecomer-but-bloomed-in-time-for-royals/c-99054036

少年野球は子どもがやりたいと言ったときがベスト

結局、少年野球をいつから始めるべきかの問いに対しての答えは、子どもがやりたいと言ったときです。しかし、あえて具体的な数字をいうのであれば、ルールに理解と技術が追いつき、より野球を楽しめる小学4年生くらいが野球を始める適齢期だと私たちは考えています。

子どもが野球に興味を示した時には、初めに野球観戦やバッティングセンターに行ってください。そこでの子どもの反応を見て、より野球に関心を持つようであれば、野球アカデミーや少年野球チームの練習に参加しましょう。

少年野球チームは一度、入団してしまうと、途中で辞めにくいといったことがあるので、チーム選びは子どもと相談しながら、慎重に考えてください。迷ったときにはまず、野球を遊び感覚で始められる野球アカデミーへの参加をおすすめします。技術的指導がメインになる少年野球チームと比較し、それぞれの特徴を理解した上で、見学へ行きましょう。

書き手

上辻創太(かみつじ・そうた/1999年生まれ。同志社大学に進学し、スポーツ新聞部に所属。大学生アスリートへの取材を中心に活動)